リハビリ ~訪問リハビリの実体にせまる~
この1週間で秋も急に深まり、公園のコスモスもきれいに咲いていました。 みんなが利用できる公園、そのための施設設備、時として使いにくい場面もありますが、立場が変わると大切な設備になります。さて、リハビラーと名を語りながら、リハビリという言葉の意味や真相、また、皆様に思われているイメージについて、考えてみたいと思います。
リハビリという言葉で耳に馴染んでいますが、正式には「リハビリテーション」という言葉なのです。英語で表記されますが実は造語で、世界保健機構WHOも言葉として、医療福祉の分野に広めるためにリハビリテーションを定義しています。語源や意味合いを追求していくと、中世ヨーロッパの話であったり、世界の悲しい歴史である二度の世界大戦であったり、古い話につながっていくのですが、最近では、スポーツ選手の「怪我からの競技復帰」の時に、耳にするかと思います。
『リハビリテーション』に携わってきた中でのことを含め、改めて説明するとなると、「病気や怪我などの後、体に障害を負った場合、健康な状態での生活ができなくなることがあります。その健康ではない状態から、元の生活に復帰する際に行われる行為」が、リハビリテーションです。身体の具合に関してはもちろんですが、社会生活という面での自宅周辺の環境や、社会参加という意味での学校や職場また地域コミュニティーへも含め、本当の意味で、社会の中で生活を送っていたことに対して「元通りの社会的役割を全うできること」というところが、リハビリテーションの意味するところかと思います。
ただし、広い分野であるがゆえに、限局したところの場面だけでも「リハビリ」と呼んでいることがあり、また、その印象で皆様に浸透していることもあるかと思います。例えば、怪我・病気からの復帰であれば、ニュース等で見られるような、スポーツ選手が試合中にアクシデントに見舞われ、第一線に復帰するために「リハビリ中」であるということや、有名人や芸能人が怪我や病気闘病をしており、不死鳥のごとく、皆様の前に現れるためリハビリ中である、というようなことが聞かれるかと思います。
さらに細かく追求していくと、病院に入院し、「怪我・病気は落ち着き、あとはリハビリで家に帰れるようにしましょう」ということが、よく聞かれるかと思います。
そういった場面で行われているリハビリテーションですが、実はリハビリテーションの中の1つである、医学的リハビリテーションで、さらにその中に、理学療法や作業療法というものがあります。
ここで、リハビリテーションをイメージしやすく具体的にお伝えしますと、転倒して骨折され、手術を受けて入院し、その後、傷が落ち着き退院して家に帰ろうとした際に、足腰が動きずらい!そういった場合に、足の運動をしましょう!、筋力をつけましょう!、歩く練習をしましょう!、さらには、家に帰ったときの段差の上り下り、お風呂への出入り、トイレの立ち座り、自室で過ごすための階段の移動、はたまた、家事をするための屋外の洗濯干し、買い物、さらに、学校や仕事や地域のコミュニティーではあれば、そこへ移動するための歩行。そして、歩行器、車椅子等利用して、その場へ移動するために代替の手段を手に入れるというところが、例として挙げられます。
リハビリテーションは、定義からも社会復帰するための、ありとあらゆる手段といえます。それは、対象となる本人の努力や、関わる職種から提供されるサービスをも含めており、非常に非常に幅広いことで、今回のお話は、その中のごくごく一部をお伝えしました。次に続けたいと思います。
「リハビリ」、コスモスの花になぞらえて言い換えますと「元の生活へ戻るため、自宅生活をはじめとする、自分が所属していた社会への『調和』を取り戻すこと」であるかと思います。



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