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ご自宅での生活で発生しうる転倒」ですが、大きな怪我に至らなかった場合でも、立ち上がれないことのお困りが多いかと思います。特に、高齢で認知機能に影響がある場合、転倒による軽度のパニック状態も重なり、仰向けから起き上がれず大ごとになることがあります。そんな大ごとに際しても、リハビリでできることはあります。

転倒後の仰向け姿勢は、ある種「亀の子状態」です。起き上がろうと、力一杯に手足をバタバタさせても、起きることにつながりません。そして、介助者がいる状況でも、仰向けから引っ張り起こすには、かなりの力が必要です。多くの場合は、引っ張り合いになって、ご本人も介助者も双方の大きな負担と思われます。

この負担にリハビリでは、動作を組み替えて力を有効に活用する方法を工夫します。力一杯の手足の力を、押し上げることや支えることに利用します。その方法は、四つ這い姿勢高這い姿勢です。仰向けで倒れている状況から、横を向き側臥位に寝返り、そのまま床を見るように上半身を捻ります。寝返った方の肘をついて、身体を支えていきます。身体のねじりに続けて、膝で支えて殿部を持ち上げていきます。無事に、四つ這い姿勢になれました。

ここで、身体の運動機能に関与する仕組みがあります。地面が視野に入り、踏ん張れる支持面が見えると、動作に利用できます。特に認知機能の影響があると、視野にない空間での動きが不得意になり、「亀の子状態」の時がその現れだと思います。

四つ這いの姿勢からは、手すりやベッド柵など手で支えられるところがあれば、体幹を起こして膝立ち姿勢になり、片脚ずつ立てていくことで、立ち上がれます。もし、支えるところがなければ、手を床に着いたまま脚を片脚ずつ立てて膝を伸ばします。この姿勢が高這い姿勢で、股関節を伸ばして体幹を起こせば、立ち上がれます。


クリスマスローズという花です。珍しいことに、花はうつむきに咲きます。上ばかりに目線を向けず、地面を向いて強く踏ん張る姿が、床から立ち上がる動作と重なります。リハビリでは、動作の練習として、方法や順序を変えて、より楽な動作の方法を練習します。動作の反復練習は、対象となる方の身体を支え、繰り返し行いますが、実は、介助の量を徐々に減らしていき、助けのない状態で、独りで動作が安全に出来ることを目指します


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