リハビリをやめたらどうなる?運動でしか守れない運動能力
このブログでリハビリについて、いろいろなことを紹介し、運動機能の向上に視点をあててきました。ここで、少し基本的なところに立ち返り、リハビリで取り扱う動作能力や運動能力の維持について、ご紹介したいと思います。
日々、リハビリでの運動を行っていただくのですが、対象とする運動能力の向上と維持は、同じ運動で負荷量や抵抗量、運動頻度を、変えることで調整します。想像しやすいことかもしれませんが、運動機能に対してのアプローチは、強すぎると身体を傷めてしまいます。適度の強さであれば、向上し、心地よい疲労感が出ます。もう少し弱い場合は、向上はしませんが減らないように維持できます。そして、弱すぎたり運動しなかった場合は、弱っていき、廃用症候群とよばれる状態になります。
筋力、持久力(筋肉の持久力)、呼吸循環器系、栄養の吸収・代謝、これらに関しては、ほぼ同じく運動の強度の調整で、向上を目指したり、維持を目指したり、アプローチを調整できます。しかし、ほとんどの運動練習場面では、向上レベルなのか、維持レベルなのか、どのレベルなのかは見た目では判断がつきづらいところです。例えば、筋力増強運動の方法の一つでは、最大筋力の80%以上は過度の筋損傷が起きてしまい、60~70%なら向上し、維持するには20~30%というように、示されています。実際のところは、回数や頻度を含めて、目標とする治療効果に合わせて、強度を設定します。
向上に関しては、比較的実感しやすく、例えば、動作ができるようになったり、スピードが上がったり、坂道や階段など重力に逆らう動きがしやすくなったり、といった変化を感じられます。しかし、維持の場合は分かりづらいことが多く、判断が難しい面があります。運動能力の維持では、頻度は週1~2回が下限であり、それ以下であれば維持は難しいです。ここで、リハビリが生活のルーティンとなり、生活の中の一場面になった際に、リハビリをしているので運動能力が維持できている、という状況になります。人道的な観点から「リハビリをしなかったら運動能力が下がることを検証すること」は、絶対にできません。疾患の状態や他の症状で、偶発的にリハビリを一旦中止することはあり、そのケースでは身に染みて、痛いほど、リハビリでの運動能力の維持の効果を感じます。無力さや悔しさ、疾患への憎悪感に苦しむこともあります。
先日の大阪マラソン、多くのランナーが日ごろトレーニング成果の運動能力を限界まで発揮し、寒空に咲く天満宮の梅の香りとともに、颯爽と駆け抜けていかれました。リハビラーも、ランナーの方に小さなお手伝いをさせていただき、沿道から観させていただいたのですが、後日談にて無力さ悔しさに打ちひしがれました。下肢と体幹をカバーした調整を大会前にさせていただいたのですが、大会後、なんと頚部や肩甲帯に至るオーバーワークの兆候が出るという、マラソン競技の運動強度の高さと運動部位の幅広さを、痛感し自身の想定の浅さにうな垂れました。















